
【あのとき、あってよかった】子育てのリアルと暮らしの道具たち
著者:株式会社シービージャパン |公開日:2025/07/11
目次
子供も初めてだけど、親だって初めて。子どもがひとつずつ成長していくように、親だって、はじめてを積み重ねながら“親になっていく”のかもしれません。何が良いのか、どうすればうまくいくのか……日々手探りで、迷いながら、走りながら、答えを探していく毎日ですよね。
家族が増えたり、生活がガラッと変わったり、人生の節目のなかで私たちは暮らしを少しずつ見直していきます。そんな中、「これがあってよかった」と感じられる道具や習慣があると、ほんの少し気持ちに余裕が生まれるものです。
シービージャパンでは、そんな子育て期に寄り添えるアイテムも取り揃えています。今回は実際に子育てをしている社員に、日々の中で見つけた「ちょっと助かった」「これは便利だった」そんなアイテムや工夫について、子育てのリアルを踏まえながら話を聞いてみました。
手探りばっかりです

写真:左-クレアさん|右-松本さん
「めちゃかわの推しの子がいる感じなんです」 そう笑って話してくれたのは、企画開発部の松本さん(1歳の娘さんのママ)とクレアさん(3歳の娘さんのママ)。おふたりとも、子育て真っ最中です。
松本さん:
まだ会話ってほどじゃないんですけど……なんとなく、通じてきてるんですよね。こっちが話すことも、1歳すぎた頃からちょっとずつ理解してくれてる感じがして。たとえば、食べたいものがあると指さして教えてくれるようになって。『パン食べる?』って聞くと、『パーン!』って返してくれて。それがまた、かわいくて……。最近は、『パン』と『パンダ』がちょっと混ざっちゃってたり、『アンパンマン』だけはちゃんと『アンパン!』って言えたりして(笑)。“言葉になりかけている世界”がどんどん広がってきてるなって感じます。完璧には通じないけど……ちょっとずつ、意思疎通できてるなって思える瞬間が増えてきました。
一方で、クレアさんは少し笑いながらも、“見えない孤独”についても語ってくれました。赤ちゃんと過ごす日々はかけがえのないものだけれど、「大人と話す時間が、ほんとうに欲しかった……」そんなふうに感じる日もあったといいます。
クレアさん:
育休に入ったばかりのころは、“赤ちゃんとゆっくり過ごせる時間”っていう喜びもあったんです。でも……それも、ほんとに最初だけでした。
日中はずっと赤ちゃんとふたりきり。特に夫の帰りが遅い日は、一日中、誰とも会話をしないまま時間が過ぎていくことも多くて。言葉が通じない赤ちゃんとずっと2人。最初のうちはまだ大丈夫だったんですけど……それが毎日毎日続くと、だんだん……本当に頭がおかしくなりそうで(笑)積極的に外に出ないと、ちょっと持たないなって思ってたんですよね。
赤ちゃんが外に出られるようになってからは、近所のカフェにふらっと行ってみたり、体がきついなってときは整体に通ったりしてました。とにかく、子どもと一緒に行ける場所を選んで、“外の空気を吸う時間”を意識的に作るようにしてて……。それだけでも、気分がちょっと軽くなるというか、助けられていた感じがありました。
松本さん:
私も同じで、支援センターとか児童館とか、ほぼ毎日通ってました。そういう場所って、職員さんに保育士の資格を持っている方も多くて。離乳食をあんまり食べてくれないとか、寝返りがまだ上手くできない……っていうちょっとした不安も、”できない子、意外と多いよ”とか、”まだ大丈夫だよ”って言ってもらえるだけで、すごく気持ちが楽になるんですよね。
子供の成長はあっという間
乳幼児と二人きりの日々を過ごしていたお二人。言葉が通じない孤独を一人で抱えるのは、相当大変だったそうです。それでも、子どもの成長を実感すると、この上ない喜びを感じていました。
松本さん:
この前、社員旅行で3日間家を空けたじゃないですか。で、3日ぶりに娘を見たら……思ったより”人間”になってて(笑)。育休中、夫が土日になるたびに「すごい成長してる!」って言ってた理由が、そのときやっとわかりました。たった3日間でも、こんなに変わるんだって。
クレアさん:

仕事を始めて、保育園に預けられるようになったことで、気持ち的にはすごく楽になったんですけど……やっぱり早くから預けると、「初めて」を見逃しちゃうことがあるんですよね。たとえば、初めて言葉を話したとか、初めて受け答えができたとか、2語・3語話せたとか。そういうのはちょっと寂しいなって思うこともあります。
極端な話じゃなくても、「あれ?知らないうちにできるようになってる?」っていうのは、けっこうあります。うちはもう3歳なんですけど、家ではあまりお絵かきさせてこなかったんですね。汚れるのがちょっとイヤで……(笑)。なのにこの前、似顔絵を描く機会があって、描かせたら……なんと、ちゃんと“人の顔”を描けてて!「えっ、顔、描けるんだ!?」「うちの子、成長してる……!」って、ちょっとびっくりしました。
一方、幼児の食事には一苦労しているそう。
松本さん:

”今日これを食べました”っていう保育園の連絡帳に、“きゅうりを食べました”って書いてあって。え?きゅうり食べてるの!?って、ちょっとびっくりして(笑)家では絶対に食べないような食材も、保育園では“完食しました”って普通に書かれてるんですよ。代わりにくれるとかでもなくて、普通に食べてるらしくて。なんで?何が違うの?って思うんだけど、たぶん“みんなと一緒”だからなんですよね。雰囲気とか、食べる流れとか。
家だとヨーグルトしか食べないのに、保育園ではしっかりいろいろ食べてるじゃん!って思うと、「……もう家では適当でいいかも」ってなります(笑)食べさせようとしても、全然食べなくて。30分くらいかけて「じゃあ、ごはん終わりね」って片付け始めると、ふとビスケットを見つけて、「ビスケット食べる」って……。
果物とかでなんとか気を紛らわせようとはするけど、結局、旦那がすぐお菓子あげちゃったりして。それで「もう……!」ってなることもよくあります(笑)
クレアさん:
毎日“食べない問題”には本気で悩んでました。一回ものすごく悩んで、悩んで……ある日、プツンと糸が切れたように、「もういいや。食べないなら、食べなくていいや」って(笑)
バランス考えて、野菜も、出汁も、海藻も……って頑張って作ってるのに、結局食べないって言われたら、もう終わりなんです。それでいて、食べられるはずなのに少しでも固いものは絶対無理。しかも、一回食べても全部口から出すんですよ。「いや、もうそれ意味ないじゃん……!」って。
頑張って作っても、こっちの心が折れるだけ。だったら最初から傷つかない選択をしたほうが、まだラクだなって思うようになりました。
子育てを支える道具たち
毎日の食事づくりには一苦労。それに加えて、掃除や洗濯、保育園や習いごとの準備……次から次へとやることが降ってくる日々。そんなおふたりに、「これ、すごく助かった」と感じたアイテムについても聞いてみました。“あってよかった”と思える道具たちには、子育てのリアルがぎゅっと詰まっていました。
松本さん:

私がずっと使っているのは、“キッズハンガー(首元を伸ばさずに干せるベビー&キッズハンガー12本組)”ですね。Tシャツを干すのはもちろんなんですけど、クリップのような挟む部分がついていて。そこにズボンの“足首のところ”を挟んで、逆さまにして干せるのがすごく便利なんです。子どもが生まれてすぐの肌着の頃から、ずっとこれを使ってます。

写真:首元を伸ばさずに干せるベビー&キッズハンガー12本組
夏になるとキャミソール型の肌着を着ることが多いんですが、それもこのハンガーならぴったりかけられるんですよ。一般的なTシャツ型の肌着よりも、肩紐のあるタイプが増えてくるので、干すのに困らなくて。我が家は、もうこのハンガーしか使ってないです(笑)
と、暮らしの中での“ちいさな必需品”として活躍しているようです。
クレアさん:

最近すごく気に入って使ってるのが、“吸水アニマル フード付きタオル”です。もともとスイミングを始めたときから使っていたんですけど、6月から保育園でもプールが始まって、もう1枚必要になって……。今は2枚、使わせてもらってます。

写真:吸水アニマル フード付きタオル
動物モチーフのデザインだから、子どももすごく喜んでくれて。先生にも“今日はウサギちゃんなんだよ”って言ってるみたいで(笑)
プールの時間がちょっと特別になる、そんなアイテムとして活躍しているようです。
また、毎日の“食べない問題”に悩んできた経験もあり、ふたりはキッチン用品にも頼ることが多いのだとか。
松本さん:

写真:耐熱レンジボウル
“クッキング系”のアイテムで、よく使ってたのが“耐熱レンジボウル”ですね。朝、冷凍のブロッコリーをサッと入れて、まとめて電子レンジでチンするだけ。娘のごはんにも、大人の料理にもブロッコリーはよく使うので、これがあると本当に助かるんです。

全体的に、調理はもう“パパッと”が基本なんです。「材料を入れて、電子レンジでパッと温めて、ウィーンってチンするだけ」みたいな(笑)。それだけで一品できちゃうし、あとはそれの“かけ合わせ”でご飯になるから……そういう意味でも、このアイテムはすごく使えてるなって思います。
クレアさん:

写真:オートシェフポット
うちは今、類似品を使ってるんですけど……“オートシェフポット”は絶対に使えると思います!ご飯をあまり食べない子なので、野菜をスープにして飲ませることが多いんです。かぼちゃはそのままだと食べないのに、かぼちゃスープにすると“おかわり!”って言われるくらい、すごく飲んでくれるんですよ。コーンも全然食べなかったのに、この間買ったコーンスープを出したら“取られました”から(笑)たぶん、ジュースみたいな感覚なんでしょうね。

オートシェフポットなら材料を入れて“ピッ”とスイッチ押して、そのままお風呂に入ってる間に出来上がるんです。めちゃくちゃ便利!。朝セットしておけば、帰ってきた頃にはもう出来上がってるんですよ。こういう機能って他社のアイテムにはあんまりなくて……ほんと、絶対便利だと思います!
仕事は大人の時間軸
子どもの成長に喜びを感じながらも、悩んで、落ち込んで、ちょっと笑って、また悩んで——。“あってよかった”と思える道具たちに支えられながら、なんとか乗り越えてきた毎日。
でも、やっぱり大変なものは大変!リフレッシュの時間って、やっぱり必要ですよね。そこでおふたりに「どんな時間がリフレッシュになっているのか」を聞いてみたところ……意外にも、「仕事の時間」なんだそうです。
クレアさん:
会社で、仕事をして、人と話す時間がある。社会とつながってるっていう実感があるんですよね。子育てだけに全部を注いでいたときよりも、仕事と両立してる今のほうが、“どっちにも自分の居場所がある”って思えるんです。結果的に、すごくいい経験になっている気がしてます。トイレに行くのも、飲み物を飲むのも、自分のタイミングでできるって、実はすごく自由だったんだって……子どもを産んでから気づきました。
松本さん:
保育園に預けて仕事に行くことで、自分の気持ちがちょっとリセットされる。だからこそ、土日は“限られた時間”だって実感できて、子どもと全力で向き合おうと思えるんです。ずっと子どもと一緒にいると、会話も対応もどこか“なあなあ”になってしまう。だけど今は、限られた時間だからこそ、”せめて一緒にいるときはちゃんと向き合いたい”と思えています。
完璧じゃなくていい

最後に「言い残したこと、ありますか?」と尋ねると、ふたりは少し考えて、こんな話をしてくれました。
子育てって、最初はどうしても“ちゃんとしなきゃ”って思うんです。寝かしつけの仕方とか、ごはんのこととか、声のかけ方とか……最初はどれも気をつけて、丁寧に、って。でもね、だんだんそれを“続けること”の方が、ものすごく大変になってくるんですよ。
もちろん、それを続けられる人はすごいと思う。でも、大半の人は、体力も気力も使い果たしてしまって、自分を追い詰めちゃうんじゃないかなって。だから、“ときに妥協して、ときに諦める”って大事だと思います。それは決して悪いことじゃないし、自分が無理のない範囲で、ちゃんと子どもと向き合っていれば、それでいいんだと思います。
“完璧じゃなくていい”。 大切なのは、安心感と、愛情をまっすぐ伝えてあげること。肩の力を抜いて、今日も子どもと向き合えたら——それはきっと、十分すぎるほどの「がんばり」です。
photo:daiki shibuya
text:takuya asanuma